変な奴2-6

そうすると奴は「おい、それからどうなったのだ」と

せついて来るのである。

 

私は重たい口調で「それからが問題さ、新宿に出て2次会の2軒目で

大揉めに成った」

 

奴は「何、何、どんな事で揉めたのだ」と嬉しそうに聞いてくる。

奴は聞いて楽しいかもしれないが、私は思い出すのも嫌な気分であった。

 

私は重たい口調で「2軒目で上司は、お酒も相当飲んでいたので

酔った勢いなのか分からないが、俺たちに絡み出した」

 

「何て絡んで来たのだ」と、奴は好奇心旺盛に聞いてきやがる。

 

「上司がお前ら二人、なぜ帰ろうとした、二人でラブホテルに

行こうとしたのだろうと言いやがったのさ」と

私は吐き捨てるように答えた。

 

「それから、どうなったのだ」と奴はニャつきながら私を促す。

 

「そうしたら、彼女が泣きだしたのだよ、私は頭にきて

“なんて事言うのですか”と怒鳴った」

確かに彼女とは、プロジェクトで一緒に仕事をしていたの事もあるので

会社でも良く話をしていたのである。

 

上司は彼女を気にいっていたのか、よく飲みに連れて行っていたのは

私も知っていたが、彼女には彼氏が居て、どんな人かも話を聞いていたので

女性としては、私は見ていなかったし、彼女も私を男性として見ていないが

仲の良い同僚の関係で、その頃はプロジェクトも別々だったので

あまり話をする事は無かった。

 

そんな内容を奴に説明しながら「俺は頭にきて上司を

怒鳴りつけて帰って来た」

 

奴は「お前もやるね、そんな勇気あったのだ」と馬鹿にした口調で

言って来たのである。

 

私は「彼女が泣きだしたから、俺も我慢できなくなって怒鳴ったのさ

俺と彼女が、関係があるなら何も言わないよ、

ただの親しい友達なのだから、彼女がかわいそうだろう」と言うと

 

奴は「かっこいい事、やるじゃん」と茶化すのである。

 

私は「それに協力会社の人たちも居る前で、そんなこと言うか、

普通言わないよ、だから尚更、腹が立ったのさ」と言って

私は興奮気味になっていた。

 

奴は、それが面白いのか、またもや、けしかけるように

「お前ね、契約社員だろ、それが本社員の上司を怒鳴るとは

自分がどうなるか分かってやったのか」

 

私は「俺の問題より、彼女が泣いているのがかわいそうだったので」と

その時の状況を思い出しながら興奮していた。

 

奴は「お前が怒るのは分かるよ」と珍しく慰めの言葉を発した。

「それでどうなったんだ」

 

私は「俺は、そのまま店を出て来たから。

その後の事は分からない」と答えた。

「俺は次の日から会社行かなかったのだ、そうしたら会社から

2日くらいしたら迎えに来た」

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