変な奴2-7

奴は「行ったのか?」と問うてきた。

 

私は「仕事があるし、俺の立案した計画も通産省と面接も終わっていたので

俺が行かないと進まないから行ったよ」とぶっきらぼうに言った。

 

奴は「お前、会社に行って、怒鳴った上司とは、どうなったのだ?」

 

「別に俺は悪と思っていないから、誤りもしないし普通に仕事をしていた、

だけど上司はエレベータの中で二人きりになると嫌味を言っていたが」

 

奴は「どんな嫌味だ」と、せかして聞いて来た。

 

「お前、彼女と、どんな関係だとか、よく話をしているよな、

仲が良いのか」と言っていたな。

「俺は友達だし、プロジェクトで一緒に仕事をしていたので」と

はぐらかして答えていた。

「そうしたら上司が、俺も悪かったから、今晩、飲みに行こう」と

誘って来たのだ。

 

奴は「上司からか?なぜ、お前を誘ったのだ」と問いかけて来た。

 

私は「通産省の案件は、俺が計画案を作成したから、その案件の為

俺が必要だからだと思うよ」と答えながら、

あの時の案件を思い出していた。

 

確かに、あの案件は難しい計画であったし、その頃では最先端を行っていた

将来的展望も考えていたので、時間はかかる案件であった。

だから年間1億で、3年間で構築するシステムであった。

案件計画者の私しか詳細部分は、分からなかったのである。

 

奴は「それで飲みに行ったのか?」

 

「うん、行った、それも銀座の一流クラブに・・・」

 

「え~、銀座のクラブにか・・・」

 

「そうだよ。でも俺、そんなところ行った事が無いので

落ち着かなかったし、早く帰りたかった」

 

「お前ね、めったに行けない所で綺麗どころが揃っているに、

早く帰りたいは無いだろう」

 

「俺には似合わないよ、その辺の居酒屋あたりが似あっている」と

謙遜ではなく正直に、その時はそう思っていた。

 

奴は「それで手打ちと言う事に成ったのか?」

 

「うん、俺はそう思っていた」

「だが、会社で会う毎に、彼女との事を話すので、

俺は言ったんだ」

 

奴は「何て言ったんだ」

 

「私は仕事のことしか考えていませんから、

それに彼女とは友達だし、彼氏が居る事も話したりしますので

彼女とは関係ありません、だから仕事をさせて下さい」と

上司のしつこさに、うんざりしていた。

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