あの時はシステム開発を任されていて建設省などの仕事を
していたのだ、大手ゼネコンだから仕事は官庁関係が多かった。
俺の上司はシステムが分からない建築関係から来た人で、
その人は官庁関係に顔が効く人であったし、
システムには疎い人だが接待は、うまい人だった、
その人は女性好きで毎日のように、女の子を連れて銀座や
新宿に飲み歩いていた人だったよ」
奴は分かった振りをして「そう言う奴居るよな、女好きで酒好きな奴ってさ、
特に建設関係は多いかもしれないな、そいつが、どうしたのだ」
「うん、酒が駄目な私でも、その頃は練習して少しは
飲めるように成っていたのだ、大手だから協力会社も多く
ある日、協力会社との飲み会を自社ビルの中にある
接待会場で飲み会を行っていたのだよ」
「それで、どうした」と奴は好奇心満々で聞いて来た。
私は面倒くさいなと思いながら、話を続けた。
「俺は前の日にプロジェクトの仲間と飲んだので、2次会は
行きたくないので、早めに抜け出したのだ、
その時エレベータの前で、前にプロジェクトで一緒にやっていた
女性が鉢合わせしたのだ、その子とは良く話をするので、
“あれどうしたの”と問いかけたのだ」
彼女は「ここの所続けて飲んだので、今日は帰ろうと思って」と
答えが返って来た。
その子は上司に良く飲みに連れて行かれる子だったので
昨日も上司と飲んだ事を、話をしながら、
「そうだよな、前の日、飲んでいたから、俺も今日は逃げるよ」と言って
あとは取りとめない話をしながら、二人で、エレベータで降りて
出口のエスカレータに乗って、話をしながら来たら
上司がエスカレータの上の階から何か叫んで居るのだ。
俺も彼女も“何を叫んでいるのか”分からずポカンとして居たら
上司が、「これから2次会に行く、お前ら二人でもう帰るのか」と
言って来たので、私は「昨日、飲んだので今日は帰ろうと思って」と答え、
彼女も「私も3日間位飲むのが続いているので、帰ろうと思っています」
と答えていたが、
上司は怒り出して「お前ら勝手だな、俺はこれから協力会社の人と
飲みに行くから、お前らも来い」と強制的に言われたので
私たち二人は2次会へ付いて行った。
私は、そこから話が重たくなるので、あまり話したくなかった。
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