変な奴2-1

最近また奴と会ってしまった。

私は気が付かなかった振りをして、通り過ぎようとしたのである。

 

そうすると奴が声を掛けて来た「久しぶり、知らんふりはないだろ

俺を嫌いなのか?」と言う。

 

私は「お前か、考え事をしていたので気が付かなかった」と言って

誤魔化したのである。

 

本当は気が付いていたのであるが、また嫌味を言われるのが嫌だったから

気が付かないふりをして通り過ぎようとしたのである。

 

奴は「本当か?俺に何か言われると思って、知らんふりをしたのだろう、

俺と思えは親友じゃないか、つれないぜ」と薄笑いを浮かべながら

こちらを向いて言うのである。

 

私は「親友?俺にはストーカーにしか見えないけど」と言い返すと

奴は「おい、おい俺を犯罪者扱いするなよ、俺はお前とは切っても

切れない親友だと思っているのだぞ」と言いやがる。

 

私は「お前は俺の事を全部を知っているストーカーだよ、親友じゃない」

と強い口調で言うと。

「待て、俺がストーカーなら、犯罪者扱いされないストーカーだな、

お前は俺をストーカー扱いするが、困った時などは相談するじゃないか

それでもストーカーと呼ぶのか、それは自分勝手すぎないか?

お前は相変わらず変わっていないな」

と何時ものごとく嫌味が始まる。

 

確かに奴の言う事は、もっともなので私は言い返せない。

 

奴の顔を見ないように「今日は俺に用事か?」と言うだけである。

 

奴は「お前と俺は一心同体なのだから、用事かは無いだろう」

「いつものごとく、君と付き合うよ」と

私の顔を覗き込むようにして言うが、

 

私は顔をそらしながら「付き合いたくないな」と

小声で呟くと

 

奴が「何か言ったか、今の言葉は聞き捨てならないな」と

横柄な口調で言い返して来た。

 

私は「分かった歩きながら話そう」と、はぐらかして答える。

 

私は内心、こいつ、また何かを感じて言うのだろうと思いながら

奴と一緒に歩き出した。

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