変な奴2-12

奴は「お前は、企画力はあるな、でも、それが実行されなければ

何にもならないけど」と、何時もの嫌味を言いだした。

 

「そうだな、企画は実行されて初めて生きるよな、

でも今回の大手ゼネコンで学んだ事は、企画が採用されるのも

バックがあるからさ、そのバックが無ければ、どんな良い企画でも

生きないし、採用されない」

 

奴は「それは、どんな意味だ」と不可思議な顔をした。

 

「それはね、あの企画でも大手ゼネコンだから企画案が

採用されたのさ、会社と言うバックがあったから通産省も

採用した、採用された時に通産省の人が言ったのは

“大手ゼネコンさんだから、良い仕事をやってくれるでしょう”

それは会社が大きいから大丈夫でしょうと言う意味だろう」

 

「確かに、会社と言う名前で仕事をするのだから当たり前だよな」

奴は、うなずいた。

 

「そうだろう、仕事は企画力も必要かもしれないが、会社の名前も

必要なのさ」

「特に日本はそうだな、俺は今回、海外で仕事をしたが海外は

意外と企画が先行している感じがした。」

 

「そうか、確かに日本は大手企業に勤めていると、それだけで

信用するもな、それが辞めたら、見向きもされないのが現状だろう。

お前の言う通りだな」と奴はうなずきながら言った。

「でもODAの企画案は、お前が考えて採用されたのだろう」

 

「うん、そうだけど俺たちの関係で(シニア専門家)では

採用されたのは、初めてだった見たい」と私は答えた。

「この関連は日本政府の外部機関で初めて行う試みだったので

私たちが最初で、それまでは青年と専門家は

長くやっていたみたいだが、シニア専門家と言っても

専門家との格差は大きかったな、俺たちには資金的援助は

少なかったよ、同時にODA関係も専門家が重点的に採用され

俺たちは青年と同じような扱いだった」

 

奴は「それでもやったのだろう、お前の負けず嫌いの面が

出ているよな、日本を離れてどうだった」と問いかけて来た。

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