変な奴2-15

私も、それには弁解できない。

自分でも金銭感覚に関しては、考え方が甘い事は分かって居たから

奴に言い返せないのである。

私は良く「蝦夷っ子は、宵越しの金は持たない」と江戸っ子に例えて

北海道生まれなので言っていた。

他人の金銭に対しては厳しくするのであるが、自分の事に関しては

カラッキシ駄目なのであるから、奴には言い返せない。

 

奴は嵩にかかって来て「お前は、あればあるだけ使うよな、

計画性が無いから、企業のトップには向いてないと自分でも

分かったから、会社を渡したのだろう、確かにお前はNO2向き

NO1には向いていない、そんな奴だから金も逃げて行くのさ」

言い放って来た。

「海外に居た時も、貧困層の住んでいる所に出入りしていたな

危険を感じないのか、皆に言われていた“危険だから一人で

出入りしないように“と言われても、懲りないで出入りしていた」

「俺も危険だと思ったよ、でもお前は止めなかった」

 

「確かに貧困層の所に出入りしていた、そこには自分の経験からくる

危険か危険でないかの、匂いを感じるのだよ、

俺も餓鬼の頃は悪だったから、自分なりの壁を作りながら

そこへ行くのさ、前にも言ったが経験は貴重だよ

経験しないで理論だけで行動を起こしても、相手の気持ちが

分からないし、表面的な物しか分からないと思うのだ

だから私は相手の中に入って行って、相手を理解するように

しているし、システムを構築する時も、必ず現場に入って

現場の仕事をさせて貰ってから、分析するようにしている。

途上国でも、そこに溶け込まないと駄目だと思うのだ。

それで初めて相手を理解して、どの様な環境なのか

どの様に私たちと生活習慣が違うのかを肌で感じるべきだと思う」

 

奴は「お前、屁理屈か、確かに経験は大切だが、危険を伴ってまで

やる事か疑問に思う」

「お前はドミニカ共和国で、2度ピストルを突き付けられているよな

そんな危険を冒すのも問題だ、人は命があるから仕事も色んな事も

出来るのだぞ」と、またもや説教をはじめて来た。

 

「確かに命があるから物事が出来る、俺の考え方が

変なのかもしれないが、本当の仕事や物事をやる時は、

その中に入り込んでやるべきだと思っている

そうしなければ自分自身にも学ぶ面が無いのではないか?」

と私は奴に問いかけた。

 

奴は「だから駄目なのだよ、お前は、確かに入り込む事は悪くない

だが相手の考え方も尊重しなければ、お前だけの考え方で

進めるべきではないと思うよ、お前は真面目なのだけど、

その真面目さが相手を傷つける可能性もある事が分かってない」

「お前の考え方で行くと、お前は満足するかもしれないが、

相手にとって負担を感じる場面も多いと思うよ」と返答して来た。

 

「確かにな、自己満足しているのかもしれないな~自分は」

と反省の言葉を言うと、

 

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